「JAL NEOBANKって、結局いくら預ければいいの?」
この問いに先に答えを書いておきます。
結論:目的によって必要な金額はまったく違う
- LSPだけ欲しい → 円10万円+外貨1万円相当で年20 LSP(資金拘束を最小化)
- マイルも取りに行く → 円100万〜200万円台+外貨25万円相当で年約1万マイル
- 銀行として使いたい → 残高は不問。口座振替や振込のたびにマイルが貯まる
なぜこれほど差が出るのか。理由は、このサービスの一風変わった構造にあります。
マイルは残高に比例して増えるが、LSP(Life Statusポイント)は残高の大小に関係なく貯まる。
この非対称性を知らないまま「たくさん預けるほどお得なんでしょ」と考えると、目的によっては必要以上の資金を寝かせることになります。逆にこの構造を理解すれば、自分の目的に必要な最小限の資金で、最大限のリターンを設計できます。
本記事では、銀行としての実用性、マイルが貯まる預金口座としての性格、そしてLSPが貯まる修行ツールとしての顔を、それぞれ分けて整理します。
※本記事は2026年8月時点の情報に基づきます。金利・マイル積算条件・キャンペーンは変更される可能性があるため、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
JAL NEOBANKの基本構造
JAL NEOBANKは独立した銀行ではなく、住信SBIネット銀行の「JAL支店」という建付けです。口座開設はJALマイレージバンク(JMB)アプリから行い、預金は住信SBIネット銀行の商品として預金保険の対象になります(外貨預金を除く)。
銀行としての使い勝手は住信SBIネット銀行に準じており、ATM手数料・振込手数料の無料枠など、ネット銀行としての基本性能は十分です。
その上に、JAL独自の3つの特典レイヤーが乗ります。
- 円普通預金・外貨普通預金の残高に応じたマイル付与(毎月)
- 銀行取引ごとのマイル付与(口座振替1件5マイル、他行からの3万円以上の振込1件10マイル、給与受取月20マイルなど)
- マイル積算回数に応じたLSP付与(2025年2月開始)
「日常の銀行取引が、自動的にマイルとLSPの発生源になる」のがこのサービスの基本コンセプトです。
無料版とプレミアムの違い

JAL NEOBANKには無料版と、有料の「JAL NEOBANKプレミアム」(年会費税込5,500円)があります。
プレミアムに入会すると、普通預金マイルが2倍になり、さらに6か月ごとに「半期ボーナスマイル」(半年分の積算マイル×2倍)が付与されます。この掛け合わせで、公式の試算例では未加入時の約6倍のマイルが貯まる設計です。
公式試算例で比べる
円普通預金100万円+外貨普通預金25万円相当を1年間維持した場合の公式例です。
- 無料版:年1,830マイル+6 LSP
- プレミアム:年10,980マイル+20 LSP
年会費5,500円に対して差分は約9,150マイル+14 LSP。マイルを1マイル=2円で評価するなら、この残高帯を維持できる人にとって年会費の回収は十分に成立します。
なお、年会費はマイルでの支払い不可・口座残高からの引き落としのみです。
【最重要】LSPは「マイル積算の回数」で決まる
ここがJAL NEOBANKの設計で最も誤解されやすい部分です。
LSPの付与ルールは「マイルが何マイル貯まったか」ではなく、「マイル積算が何回発生したか」に連動しています。
プレミアム会員のLSP内訳
- 円普通預金:マイル積算6回ごとに3 LSP → 毎月積算が続けば年6 LSP
- 外貨普通預金:マイル積算6回ごとに6 LSP → 同じく年12 LSP
- 半期ボーナスマイル:積算1回ごとに1 LSP → 年2回で2 LSP

合計:年間最大20 LSP
重要なのは、この計算のどこにも「預金額」が登場しないことです。円預金で月20マイルの人も月160マイルの人も、積算が毎月発生している限りLSPは同じ。
つまりLSPの観点では、「マイルが付与される最低ラインの残高を、1回も欠かさず維持し続けること」がすべてです。
逆に言えば、1か月でも積算が飛ぶと「6回ごと」のカウントが欠け、年間LSPが減ります。
目的別:いくら預けるのが正解か

パターンA:LSPだけ欲しい人
LSP目的なら、必要なのは「積算が発生し続ける最低ライン」だけです。
円普通預金:マイル積算の対象となる残高を維持します。注意点として、月末残高だけでなく「翌月1〜5日の毎日の最終残高が10万円以上」という維持条件があります。月末だけ資金を寄せる、いわゆる「月末付け替え」は通用しない設計です。
外貨普通預金:1万円相当以上から積算対象です(月末レートで円換算、複数通貨は合算)。
理論上はこの最小構成でも年20 LSPが取れます。ただし外貨は為替変動で1万円相当を割ると積算が欠けるため、実務上はある程度の余裕を持たせるのが定石です。
パターンB:マイルも取りに行く人
マイルは残高比例なので、こちらは預けるほど増えます。公式例の「円100万+外貨25万」で年約11,000マイル(プレミアム)。
残高を200万円台まで積むとマイルはさらに伸びますが、そこから先は効率が逓減していくため、「マイルの美味しい帯」はおおむねこのレンジまでと考えるのが現実的です。
なお、円普通預金のマイル付与率を金利換算すると、単体では他のネット銀行の高金利口座に見劣りする場合があります。「銀行金利の代わりにマイルを受け取る」という取引が自分にとって割に合うかは、冷静に比較する必要があります。
LSP単価で見た他サービスとの比較
JAL経済圏でLSPを積む手段は複数あります。「LSP1ポイントをいくらで買っているか」という物差しで並べると、位置づけがはっきりします。
- JAL NEOBANKプレミアム:年会費5,500円で年20 LSP → LSP単価275円
- JALモバイル データeSIM:月440円で年12 LSP → LSP単価440円
- JALガス:固定費の切替のみで年12 LSP → 条件次第で実質ゼロ
年会費5,500円で20 LSPというのは、JAL経済圏の生活系サービスの中でも最高効率の部類です。
ただし、この比較には注意が必要です。JALモバイルは純粋な月額サービスですが、JAL NEOBANKには資金拘束と外貨リスクという見えないコストがあります。単純な単価比較だけで判断すべきではありません。
見落としやすい4つの注意点
① 外貨預金は元本保証なし・預金保険対象外
年20 LSPのうち12は外貨預金由来です。つまりLSPを満額取るには外貨保有が事実上必須ですが、外貨預金には為替変動リスクがあり、預金保険の対象外です。
LSPのためだけに為替リスクを取ることが自分の資産方針に合うか。ここは各自の判断が必要な部分で、本記事ではどちらも推奨しません。少額(数万円程度)に抑えてリスクを限定する設計も一つの考え方です。
② 円預金の「毎日10万円以上」条件
前述の通り、円普通預金のマイル積算には翌月1〜5日の残高維持条件があります。生活費の引き落とし口座と兼用していると、うっかり条件を割る事故が起こりやすいポイントです。
③ マイル・LSPの反映は遅い
マイルは対象月の翌々月末頃、LSPはさらにその後の反映です。「入金したのに貯まらない」と焦らないよう、タイムラグは織り込んでおいてください。
④ SBI証券をすでに使っている人は「仲介口座」に注意
JAL NEOBANK経由でSBI証券の口座を開設・連携するキャンペーンが定期的に開催されますが、既にSBI証券口座を保有している人は新規開設特典の対象外です。
また、既存の証券口座を仲介口座に切り替えると、現在利用中の銀行連携サービスに影響が出る可能性があります。数千マイルのために既存の金融設計を崩すのは本末転倒なので、この系統のキャンペーンは慎重に判断してください。
キャンペーン動向
2026年8月時点で「プレミアム新規入会プログラム2026」が実施されています。
エントリーの上でプレミアムに入会し、判定日までに円普通預金200万円以上+外貨普通預金25万円相当以上を預け入れると、初年度年会費5,500円相当がポイント還元されます(JMB elite以上のステイタスが条件)。
条件を満たせる人にとっては、実質年会費0円で「6倍マイル+年20 LSP」の初年度を試せることになります。エントリーはJMB番号でのログインだけで完了するので、口座開設前に済ませておくのが安全です。
ポイントサイト経由は存在しない
モッピーやハピタスといったポイントサイトに、JAL NEOBANKの独立案件は見当たりません(2026年8月時点)。銀行支店系サービスは広告案件が付きにくい領域のため、公式キャンペーンの重ね取りが実質的に唯一のルートです。
口座開設系の小口キャンペーンが不定期に開催されるので、開設直前にキャンペーン一覧ページの確認だけは忘れずに。専用ページからのエントリーが条件のケースが多く、何気なくアプリから開設してしまうと対象外になり得ます。ここが唯一の「損しうる分岐」です。
目的別の結論
銀行をJALに寄せたい人
住信SBIネット銀行ベースなので、ネット銀行としての基本性能は問題なし。口座振替や振込のたびにマイルが落ちてくる「ながら積算」は、メインバンク化するほど効きます。
マイル狙いの人
プレミアム+円100万〜200万円台+外貨25万円相当が公式試算の美味しい帯。年約1万マイル規模。ただし円預金単体の利回りは他行金利との比較を忘れずに。
LSP狙いの人(JGC・Star Grade育成)
プレミアム+最低限の残高維持で年20 LSP。LSP単価275円は生活系最高効率クラスです。ただし資金拘束と外貨リスクという見えないコストがあるため、単純な月額サービスとの比較には注意が必要です。
慎重派の人
まず無料版で開設し、口座振替や振込のマイルだけ拾いながら使い勝手を確認する。残高を置けると判断したらプレミアム入会、という段階アプローチも十分合理的です。
まとめ
- 核心は「マイルは残高比例、LSPは残高非依存」という非対称構造
- LSPは「積算を1回も切らさないこと」がすべて。円は毎日10万円条件、外貨は1万円相当の維持に注意
- プレミアム(5,500円)は、公式例の残高帯ならマイル差分だけで回収可能。LSP単価275円は生活系最高効率クラス
- 外貨預金は預金保険対象外、かつ為替リスクあり。LSPのために取るリスクとして許容できるかは各自の判断
- 新規入会プログラムで初年度実質無料の入口が開いている
「いくら預けるか」の答えは、あなたがマイルを買いに来たのか、LSPを買いに来たのかで変わります。この記事がその整理の一助になれば幸いです。

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